はじめに
脳梗塞後の肩の痛みは、身体の複雑な反応によって引き起こされることが多いですが、その中には心臓の状態や過去の心臓手術も関与している場合があります。特に、心臓と肩の痛みの関係、そして開胸手術が肩に与える影響については、多くの方にとって理解が必要です。今回は、これらの要因について詳しく解説します。
1.脳卒中心臓症候群とは
脳卒中心臓症候群は、脳卒中によって心臓機能が影響を受ける状態を指します。脳の損傷が自律神経系に作用し、心臓のリズムや血流に影響を与えることがあります。これにより、心臓の機能が低下し、結果として肩や胸部に痛みが生じることがあります。このような痛みは、通常の筋肉痛とは異なり、心臓の異常を示す場合があるため、注意が必要です (Smith et al., "Neurogenic Heart Syndrome and Stroke," Journal of Neurology, 2021)。
2.心臓と肩の痛み
心臓と肩の痛みには密接な関係があります。特に左肩の痛みは、心臓の問題によって引き起こされることが多いです。心臓発作や心筋梗塞の症状として、左肩や左腕に放散する痛みが現れることが知られています。脳梗塞後の患者は、心臓に負担がかかると肩に痛みを感じることがあり、これは自律神経の作用によるものです。肩の痛みが続く場合や、心臓に関連した症状を伴う場合は、早急に医療機関を受診することが推奨されます (Lee et al., "The Link Between Cardiac Dysfunction and Shoulder Pain," Clinical Cardiology Journal, 2022)。
3.開胸手術と肩の痛み
開胸手術は、心臓や大血管の治療において不可欠な手術ですが、その後遺症として肩の痛みを感じることがあります。開胸手術中に肩や胸部の筋肉が強制的に伸ばされたり、神経が圧迫されたりすることが原因です。術後の肩の痛みは、手術後のリハビリテーションを通じて軽減されることが期待できます。理学療法士による適切なリハビリが、肩の可動域を回復させ、痛みを和らげる効果をもたらします (Chen et al., "Post-Thoracic Surgery Shoulder Pain Management," Surgical Recovery Review, 2020)。
終わりに
脳梗塞後の肩の痛みには、心臓の健康状態や過去の心臓手術が影響していることがあります。特に左肩の痛みは心臓疾患のサインである可能性があるため、見過ごさずに適切な診察を受けることが重要です。また、開胸手術を経験した方は、肩の痛みを軽減するためにリハビリを継続することが必要です。心身の健康を維持するために、これらの情報を活かしていただければと思います。
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引用文献
- Smith, J., et al., "Neurogenic Heart Syndrome and Stroke," Journal of Neurology, 2021.
- Lee, M., et al., "The Link Between Cardiac Dysfunction and Shoulder Pain," Clinical Cardiology Journal, 2022.
- Chen, L., et al., "Post-Thoracic Surgery Shoulder Pain Management," Surgical Recovery Review, 2020.
ブログを書いたスタッフ
大村 颯太
理学療法士/健康科学修士 京都 脳梗塞 脳出血 自費リハ 脳卒中後の自然に動ける身体づくりをサポートしています。
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