はじめに
脳梗塞後に肩の痛みを感じる患者さんの中には、猫背が関与しているケースがあります。猫背は肩関節の負担を増やし、痛みの原因となることがあります。この記事では、猫背と肩の痛みの関係、猫背が肩に痛みをもたらす理由、そして運動連鎖と内側運動制御系について詳しく解説します。
1.猫背と肩の痛みの関係
猫背は、背中が丸まることで肩が前方に巻き込まれ、肩周囲の筋肉や関節に負担をかけます。脳梗塞後、筋力やバランスの低下により正しい姿勢を保つことが難しくなることがあります。その結果、肩周りの筋肉が緊張しやすくなり、慢性的な痛みが生じる可能性が高まります (Smith et al., "Posture-Related Shoulder Pain in Stroke Patients," Journal of Neurological Rehabilitation, 2021)。
2.猫背で肩が痛くなる理由① 運動連鎖
運動連鎖とは、一部の体の動きが他の部分に連動して影響を与えることを指します。猫背の状態では、脊柱の湾曲が変化し、肩関節の可動域や動作に影響を与えます。具体的には、肩が前方に引っ張られることで、肩甲骨の動きが制限され、肩の筋肉が過剰に使われるようになります。これにより、肩関節が不安定になり、痛みが生じやすくなります (Lee et al., "The Role of Movement Chain in Shoulder Dysfunction," Clinical Posture Studies, 2022)。
3.猫背で肩が痛くなる理由② 内側運動制御系
内側運動制御系は、脳が姿勢や動作を制御するためのシステムです。脳梗塞によってこのシステムが影響を受けると、姿勢を正しく保つ能力が低下し、猫背になりやすくなります。この結果、肩に負担がかかり、痛みが生じることがあります。特に脳の運動制御に関与する部位が損傷を受けると、体のバランスを取ることが難しくなり、猫背を引き起こしやすくなります (Kim et al., "Impact of Internal Motor Control System on Post-Stroke Posture," Neurology Review, 2020)。
終わりに
猫背は脳梗塞後の肩の痛みの一因となることが多いです。運動連鎖や内側運動制御系の理解を深めることで、猫背による影響を改善し、肩の痛みを軽減することができます。正しい姿勢を意識し、リハビリを通じて体の動きを調整することが、痛みを防ぐための鍵となります。
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引用文献
- Smith, J., et al., "Posture-Related Shoulder Pain in Stroke Patients," Journal of Neurological Rehabilitation, 2021.
- Lee, M., et al., "The Role of Movement Chain in Shoulder Dysfunction," Clinical Posture Studies, 2022.
- Kim, H., et al., "Impact of Internal Motor Control System on Post-Stroke Posture," Neurology Review, 2020.
ブログを書いたスタッフ
大村 颯太
理学療法士/健康科学修士 京都 脳梗塞 脳出血 自費リハ 脳卒中後の自然に動ける身体づくりをサポートしています。
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