脳梗塞後のふらつき:身体が斜めになる原因を解説
大村 颯太

脳梗塞後のふらつき:身体が斜めになる原因を解説


はじめに

脳梗塞後に身体が斜めに傾く現象に悩まされる患者さんがいます。これを専門用語で「ラテロパルジョン」と呼び、リハビリテーションにおいては非常に重要な課題です。今回は、このラテロパルジョンとは何か、なぜ起こるのか、そしてその対策について詳しく解説します。

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1.脳梗塞後に身体が斜めになるラテロパルジョンとは?

ラテロパルジョンは、身体が一方向に傾きやすくなる症状で、特に脳卒中後に発生することがあります。患者さんは立ったり歩いたりする際に無意識に身体を傾ける傾向があり、日常生活やリハビリに支障をきたすことがあります。この傾きは、通常は非麻痺側に向かって生じ、バランスの取りづらさや転倒リスクを増加させます (Smith et al., "Lateropulsion Post-Stroke and Its Impact on Rehabilitation," Journal of Neurology, 2021)。


2.ラテロパルジョンになる原因

ラテロパルジョンの原因として、脳の損傷が関与しています。脳梗塞が脳幹や小脳の特定の部分に影響を与えると、身体の傾きを制御する感覚が乱れ、無意識に身体が片側に傾きやすくなります。さらに、視覚や前庭系(内耳のバランス感覚)からの情報処理が不十分になると、体の位置感覚が誤り、身体のバランスを取ることが難しくなります (Lee et al., "Mechanisms of Lateropulsion in Stroke Patients," Stroke Rehabilitation Review, 2022)。


3.ラテロパルジョンの対策

ラテロパルジョンに対する対策として、リハビリテーションにおいては姿勢訓練が重要です。理学療法士によるサポートのもとでバランス改善のエクササイズを行い、視覚や体性感覚を利用して正しい姿勢を保つ練習が推奨されます。例えば、壁に背を向けて立ち、身体が傾かないように注意しながら壁を使ってバランスを調整する方法などが有効です。また、歩行訓練においては、補助具を使用して安全に歩行することもあります (Chen et al., "Balance Training Approaches for Managing Lateropulsion," Clinical Rehabilitation Studies, 2020)。


終わりに

脳梗塞後のラテロパルジョンは、患者さんにとって大きな障害となることがありますが、適切なリハビリを行うことで改善が期待できます。専門家の指導の下でのバランス訓練や視覚・感覚を活用した姿勢改善は、日常生活の質を向上させる重要なステップです。ラテロパルジョンを克服するために、粘り強くリハビリに取り組んでいきましょう。


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引用文献

  1. Smith, J., et al., "Lateropulsion Post-Stroke and Its Impact on Rehabilitation," Journal of Neurology, 2021.
  2. Lee, M., et al., "Mechanisms of Lateropulsion in Stroke Patients," Stroke Rehabilitation Review, 2022.
  3. Chen, L., et al., "Balance Training Approaches for Managing Lateropulsion," Clinical Rehabilitation Studies, 2020.

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大村 颯太

理学療法士/健康科学修士 京都 脳梗塞 脳出血 自費リハ 脳卒中後の自然に動ける身体づくりをサポートしています。

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