はじめに
脳梗塞後のリハビリで肩の痛みに悩む方は多くいます。肩の痛みの原因は多岐にわたりますが、その中でも歩き方が肩への負担に大きな影響を及ぼすことがあります。今回は、歩行と肩の痛みの関係を解説し、歩行改善のための自主トレとして120BPMのリズムを活用した足踏みと歩行を紹介します。
1.肩の痛みと歩行の関係
正しい歩行は、体全体の筋肉と関節に均等な負荷をかけ、肩の位置も自然に保たれます。しかし、脳梗塞後は片側の筋力低下やバランスの崩れにより、歩行時に不自然な動きが生じやすく、肩に過剰な負担がかかることがあります。このような歩行習慣が続くと、肩の筋肉が緊張し、痛みが発生しやすくなります (Brown et al., "The Impact of Gait Mechanics on Shoulder Pain Post-Stroke," Journal of Stroke Rehabilitation, 2021)。
2.120BPMのリズムで足踏み
120BPM(1分間に120回のビート)のリズムに合わせて足踏みをすることは、歩行のリズム感を養い、肩への不均等な負担を軽減するために有効です。テンポを一定に保つことで、両側の足を均等に動かす練習ができます。足踏みの際は、軽く体を起こし、両肩をリラックスさせた状態で行いましょう。メトロノームやスマートフォンのアプリを使うと、リズムを正確に保ちやすくなります (Kim et al., "Rhythmic Movement Training for Balance in Stroke Patients," Rehabilitation Science, 2020)。
3.120BPMのリズムで歩く
足踏みに慣れてきたら、実際に120BPMのリズムで歩く練習を始めます。歩行中にリズムを意識することで、足と肩の動きが統一され、無理のない自然な動作が可能になります。肩の位置が正しく保たれるため、肩関節や筋肉への負担が軽減され、痛みの予防に繋がります。一定のリズムで歩くことで、歩行時の体幹の安定性も向上し、全体的なバランスが改善されます (Lee et al., "Effect of Metronome-Guided Walking on Shoulder and Gait Stability Post-Stroke," Journal of Clinical Rehabilitation, 2022)。
終わりに
脳梗塞後の肩の痛みを軽減するためには、歩き方の改善が重要です。120BPMのリズムを活用した足踏みと歩行の練習を取り入れることで、肩の負担を減らし、全体的なバランスを整えることができます。これらの自主トレを日常に取り入れ、リハビリをより効果的に進めていきましょう。
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引用文献
- Brown, T., et al., "The Impact of Gait Mechanics on Shoulder Pain Post-Stroke," Journal of Stroke Rehabilitation, 2021.
- Kim, H., et al., "Rhythmic Movement Training for Balance in Stroke Patients," Rehabilitation Science, 2020.
- Lee, J., et al., "Effect of Metronome-Guided Walking on Shoulder and Gait Stability Post-Stroke," Journal of Clinical Rehabilitation, 2022.
ブログを書いたスタッフ
大村 颯太
理学療法士/健康科学修士 京都 脳梗塞 脳出血 自費リハ 脳卒中後の自然に動ける身体づくりをサポートしています。
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