153.脳梗塞後の肩の痛みを軽減!亜脱臼対策の実践法
大村 颯太

153.脳梗塞後の肩の痛みを軽減!亜脱臼対策の実践法


はじめに

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脳梗塞後のリハビリを進める中で、肩の痛みや違和感を抱える方が少なくありません。その原因のひとつに「亜脱臼」があります。亜脱臼は、関節の位置がずれることで、肩に強い負荷や痛みを引き起こす状態です。今回の記事では、肩の亜脱臼に対する実践的な対策として、筋機能向上エクササイズ、ポジショニング、そして肩装具の活用法についてご紹介します。


1.亜脱臼 対策① 筋機能向上エクササイズ

肩周囲の筋肉を強化することは、亜脱臼を防ぐために非常に効果的です。筋力を向上させることで、肩関節が正しい位置に安定し、負荷が分散されやすくなります。具体的には、理学療法士の指導のもとで、肩のインナーマッスルや体幹を鍛えるエクササイズを行うことが有効です。インナーマッスルがしっかりと働くことで、肩が安定し、亜脱臼のリスクが軽減されます (Lee et al., "Effect of Muscle Strengthening on Shoulder Subluxation in Stroke Patients," Journal of Stroke Rehabilitation, 2020)。


2.亜脱臼 対策② ポジショニング

亜脱臼を防ぐためには、日常生活での肩のポジショニングも重要です。正しい姿勢で肩を保つことで、関節にかかる負担を軽減できます。例えば、ベッドで休む際や座るときには、肩が下がらないようにクッションなどで支えると良いでしょう。ポジショニングにより、肩が正しい位置に保たれることで、痛みの軽減や違和感の予防につながります (Kim et al., "Importance of Proper Positioning to Prevent Shoulder Subluxation in Stroke Recovery," Physical Therapy Science, 2021)。


3.亜脱臼 対策③ 肩装具

肩装具の活用も、亜脱臼対策として効果的です。装具は、肩関節の安定性を補助し、日常の動作で過度な力が加わるのを防ぎます。特に、片麻痺や筋力低下がある場合には、装具によって関節の位置が固定され、動きやすさと痛みの軽減が期待できます。装具を使用することで、長時間の活動でも肩への負担が減り、リハビリの効果も向上します (Park et al., "Role of Shoulder Orthosis in Managing Subluxation in Stroke Patients," Rehabilitation Medicine, 2019)。


終わりに

脳梗塞後の肩の亜脱臼は、筋力不足や不適切なポジショニングが原因で起こりやすいものです。筋機能向上エクササイズやポジショニング、肩装具の利用など、適切な対策を講じることで、亜脱臼による痛みや負担を軽減できます。日常生活の中で肩に違和感や痛みを感じた場合は、早めに専門家に相談し、適切なケアを受けることが大切です。


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引用文献

  1. Lee, J., et al., "Effect of Muscle Strengthening on Shoulder Subluxation in Stroke Patients," Journal of Stroke Rehabilitation, 2020.
  2. Kim, H., et al., "Importance of Proper Positioning to Prevent Shoulder Subluxation in Stroke Recovery," Physical Therapy Science, 2021.
  3. Park, Y., et al., "Role of Shoulder Orthosis in Managing Subluxation in Stroke Patients," Rehabilitation Medicine, 2019.

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大村 颯太

大村 颯太

理学療法士/健康科学修士 京都 脳梗塞 脳出血 自費リハ 脳卒中後の自然に動ける身体づくりをサポートしています。

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