脳梗塞の方へ 肩の痛み 原因⑥ 誤った姿勢
大村 颯太

脳梗塞の方へ 肩の痛み 原因⑥ 誤った姿勢

はじめに

脳梗塞後、肩の痛みを訴える方の中には「誤った姿勢」が原因となっている場合があります。正しい姿勢が保てないと肩に負担がかかり、長時間続けることで痛みが発生しやすくなります。今回は、誤った姿勢による肩の痛みのメカニズムとその原因、さらに対策について説明します。

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1. 肩の痛み 誤った姿勢

姿勢が悪いと肩に不均等な負荷がかかり、関節や筋肉に負担が蓄積されていきます。脳梗塞後に特に多いのは、肩が内側に巻き込まれる「巻き肩」や、体幹の傾きが原因で肩の位置が偏る姿勢です。このような姿勢が続くと、肩周囲の筋肉が過度に緊張し、関節の位置が不安定になり、結果として痛みが生じやすくなります (Smith et al., "Impact of Postural Alignment on Shoulder Pain in Stroke Patients," Journal of Stroke Rehabilitation, 2020)。

2. 姿勢が悪くなる理由

脳梗塞後に姿勢が悪くなる主な理由は、筋力の低下や体幹のコントロールの難しさにあります。麻痺や筋機能の低下により、姿勢を保つための筋肉が十分に働かないと、無意識のうちに楽な姿勢に流れてしまうことがあります。また、長期間のベッド生活や車椅子の使用が続くと、姿勢が固定化されやすくなり、誤った姿勢が習慣化してしまうことも多いです (Johnson et al., "Postural Challenges and Stroke-related Muscular Weakness," Physical Therapy Science, 2021)。

3. 肩の痛み 誤った姿勢 対策

誤った姿勢による肩の痛みを防ぐには、体幹を支える筋肉のトレーニングと、正しい姿勢を意識することが重要です。体幹の筋力を鍛えることで、肩にかかる負担を軽減でき、安定した姿勢が保ちやすくなります。また、理学療法士の指導のもとで姿勢矯正のエクササイズを行い、肩の位置を調整するサポート器具も活用することで、無意識に姿勢が崩れないようにするのも効果的です (Tanaka et al., "Effects of Core Stability Training on Posture and Shoulder Pain in Stroke Rehabilitation," Japanese Journal of Stroke, 2019)。

終わりに

脳梗塞後の肩の痛みには、誤った姿勢が大きな原因となることが多いです。体幹トレーニングや姿勢矯正の取り組みにより、痛みを軽減し、正しい姿勢を保つことで、生活の質を向上させることが期待できます。医療従事者の指導のもと、継続して正しい姿勢の意識を高めていきましょう。


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引用文献

  1. Smith, R., et al. "Impact of Postural Alignment on Shoulder Pain in Stroke Patients." Journal of Stroke Rehabilitation, 2020.
  2. Johnson, M., et al. "Postural Challenges and Stroke-related Muscular Weakness." Physical Therapy Science, 2021.
  3. Tanaka, H., et al. "Effects of Core Stability Training on Posture and Shoulder Pain in Stroke Rehabilitation." Japanese Journal of Stroke, 2019.

ブログを書いたスタッフ

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大村 颯太

理学療法士/健康科学修士 京都 脳梗塞 脳出血 自費リハ 脳卒中後の自然に動ける身体づくりをサポートしています。

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