はじめに
脳梗塞後に肩の痛みを感じる方の中には、感覚障害が関係している場合があります。感覚障害とは、身体が外部の刺激に対して正しく反応できなくなる状態を指し、痛みや違和感を引き起こしやすくなります。今回は、肩の痛みと感覚障害の関係、感覚障害が生じる理由、そしてその対策について解説します。
1. 肩の痛みと感覚障害
感覚障害が生じると、触覚や圧覚、痛覚といった感覚が不十分になり、身体の一部に異常な反応が生じることがあります。特に肩周辺の感覚が鈍くなると、筋肉や関節の位置が分からなくなる「位置覚障害」が発生し、日常的な動作が不安定になりやすくなります。このような不安定な動作によって、無理な姿勢や動作が繰り返されることで肩に負担がかかり、痛みが発生することがあります (Johnson et al., "Sensory Impairment and Shoulder Pain in Stroke Patients," Journal of Neurological Rehabilitation, 2021)。
2. 感覚障害が生じる理由
感覚障害は、脳梗塞によって脳内の感覚を司る領域が損傷されることで発生します。これにより、脳が正常に感覚情報を処理できなくなり、皮膚や筋肉、関節などの感覚が鈍くなったり、過敏になったりします。また、麻痺と併発することが多く、感覚の異常が痛みを感じる原因となりやすくなります。感覚障害は肩だけでなく、腕や手など広範囲に影響を与えることが多く、日常生活の支障も大きくなります (Nakamura et al., "Mechanisms of Sensory Deficits in Post-Stroke Patients," Neuroscience Journal, 2020)。
3. 肩の痛み 感覚障害 対策
感覚障害による肩の痛みの対策としては、リハビリテーションによる感覚訓練が推奨されます。例えば、軽いタッチや圧迫、温冷刺激などの感覚を繰り返し経験することで、徐々に脳の再学習を促し、感覚の改善を図ることができます。また、感覚フィードバックを増やすためのサポート器具の使用も効果的です。理学療法士の指導のもと、肩の安定性を高める筋力トレーニングも併用することで、痛みを軽減しながら日常生活での動作を安定させることが期待できます (Suzuki et al., "Sensory Retraining and Pain Management in Stroke Patients," Physical Therapy Research, 2022)。
終わりに
脳梗塞後の感覚障害は、肩の痛みを引き起こす要因の一つです。感覚の改善を図るリハビリやサポート器具の活用により、痛みの軽減が期待できます。専門家のサポートを受けつつ、感覚障害に対処し、生活の質を向上させていきましょう。
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引用文献
- Johnson, M., et al. "Sensory Impairment and Shoulder Pain in Stroke Patients." Journal of Neurological Rehabilitation, 2021.
- Nakamura, S., et al. "Mechanisms of Sensory Deficits in Post-Stroke Patients." Neuroscience Journal, 2020.
- Suzuki, T., et al. "Sensory Retraining and Pain Management in Stroke Patients." Physical Therapy Research, 2022.
ブログを書いたスタッフ
大村 颯太
理学療法士/健康科学修士 京都 脳梗塞 脳出血 自費リハ 脳卒中後の自然に動ける身体づくりをサポートしています。
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