はじめに
脳梗塞後の手のむくみ(浮腫)は、患者にとって日常生活の支障となり、リハビリの進行にも影響を与えることが多いです。むくみを放置すると、疼痛や関節の可動域制限につながるため、早期の対策が必要です。今回は、脳梗塞後の手のむくみを軽減するために、自宅でできるセルフケアを3つご紹介します。
1. 脳梗塞の方へ 手のむくみ 対策①:手指の運動
手指を動かすことは、むくみ改善に効果的なセルフケアの一つです。特に、反対側の健側の手を使って行うハンドグリップ運動が推奨されます。この運動は、麻痺側の腕の静脈還流を促進し、血流を改善することが示されています。例えば、ボールを握ったり、手をグーとパーに開閉することで、腕全体の血流が良くなり、むくみを軽減する効果が期待できます。
2. 脳梗塞の方へ 手のむくみ 対策②:まいリハ 手のマシーン
リハビリ機器「まいリハ」シリーズには、手の運動機能を改善するための特別な装置が組み込まれており、特に手指の可動域や筋力の回復を促進する効果が期待されます。これにより、浮腫の原因となる血流の滞りを改善し、日常生活での手の使用をサポートします。まいリハの機器を使用する際は、リハビリ専門家の指導のもとで安全に実施することをお勧めします。
3. 脳梗塞の方へ 手のむくみ 対策③:肩のポジション管理
肩の適切なポジションを維持することも、手のむくみを軽減するために重要です。肩が下がったり、腕が不自然な位置にあると、血流が滞りやすくなり、むくみが生じやすくなります。肩甲骨を意識的に引き上げたり、ストレッチを行うことで、肩関節周辺の筋肉が緊張を解き、腕全体の血流を促進することができます。
終わりに
脳梗塞後の手のむくみは、適切なセルフケアを行うことで改善が期待できます。今回ご紹介した3つの対策を日々の生活に取り入れ、リハビリの一環として実践してみてください。手の機能を維持し、快適な生活を目指しましょう。
引用文献
- Ojima Y, et al. "Handgrip exercise by the non-affected hand increases venous return in the contralateral axillary vein in patients with stroke: a pilot study." BMC Research Notes. 2011;33:1791–6.
- Louise Gustafsson, et al. "Efficacy of Compression Gloves in Maintaining Edema Reductions After Application of Compression Bandaging to the Stroke-Affected Upper Limb." American Journal of Occupational Therapy. 2016; Vol. 70(2), 7002290030p1–7002290030p9.
- Louise Gustafsson, et al. "Single-Case Design Evaluation of Compression Therapy for Edema of the Stroke-Affected Hand." American Journal of Occupational Therapy. 2014; Vol. 68(2), 203–211.
ブログを書いたスタッフ
大村 颯太
理学療法士/健康科学修士 京都 脳梗塞 脳出血 自費リハ 脳卒中後の自然に動ける身体づくりをサポートしています。
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