はじめに
脳梗塞の後遺症として、特に運動機能の回復は重要な課題です。最近では「ミラーニューロン」が脳梗塞リハビリに効果をもたらす可能性が注目されています。ミラーニューロンは、他者の動作を観察する際に、自分自身が同じ動作をしているかのように反応する特殊な神経細胞です。これにより、運動イメージの形成や運動機能回復を促すことが期待されています。
1. 脳梗塞の方へ ミラーニューロンとは
ミラーニューロンは、1990年代にサルの脳で発見され、その後ヒトの脳でも確認されました。特に運動や感情の模倣に関与しており、他者の行動を観察すると自分の脳内でも同様の神経活動が生じることが特徴です。脳梗塞のリハビリにおいて、失われた運動機能の回復や神経可塑性(脳の柔軟な適応能力)を促進する役割があるとされています【17】。
2. 脳梗塞の方へ ミラーニューロンとリハビリ
脳梗塞患者の運動機能回復において、ミラーニューロンを活用する代表的なアプローチが「ミラーセラピー」です。これは、健側の手足を鏡に映し、それをあたかも麻痺側が動いているように見せることで、脳に動作のイメージを送り、ミラーニューロンを活性化させる方法です。研究では、ミラーセラピーを行うことで、麻痺側の運動機能や日常生活動作(ADL)の改善が確認されています【17】。
3. 脳梗塞の方へ ミラーニューロン 活性化の方法
ミラーニューロンを活性化させるには、以下の方法があります。
ミラーセラピー
: 健側の手足を鏡に映し、動きを観察することで、脳の運動野を刺激し、麻痺側の機能回復を図ります【17】。 2.
動作観察
: 他者が行う目的のある動作を観察することで、自分自身も同じ動作をしているかのような神経反応を引き起こし、リハビリ効果を高めることができます。 3.
メンタルイメージング
: 動作を心の中で繰り返しイメージすることで、脳内で運動野を活性化させ、実際の動作に近い神経活動を誘導します【17】。
終わりに
脳梗塞による運動機能障害に対するリハビリテーションでは、ミラーニューロンを活用したアプローチが新たな可能性を示しています。ミラーセラピーや動作観察は、簡単かつ低コストで行えるため、今後さらなる研究と臨床応用が期待されます。日々のリハビリに取り入れることで、より効果的な機能回復を目指していきましょう【17】。
【引用文献】
- Mirror Therapy in Stroke Rehabilitation: Current Perspectives. PubMed. 2020.
ブログを書いたスタッフ
大村 颯太
理学療法士/健康科学修士 京都 脳梗塞 脳出血 自費リハ 脳卒中後の自然に動ける身体づくりをサポートしています。
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